友人・職場の仲間・身内など、大切な人の結婚式に招待された時、新郎新婦から余興の依頼をされた、というのはよくある出来事です。
結婚式は一生に一度の大切なセレモニー。
引き受けたからには、思い出に刻まれる素敵な余興で彩ってあげたいですよね。
ここでは余興を成功させるための注意点や定番の余興などを紹介していきます。
結婚式の余興を成功させる為の準備と心構え
余興の依頼を引き受けるとき
余興を依頼される場合は、あらかじめ新郎新婦から電話やメールで連絡があることがほとんどですが、結婚式の招待状の中に余興をお願いしたいという内容の書かれたお手紙が同封されていることもあります。
いずれの場合でも特別な理由の無い限り、喜んで引き受けるのがマナーです。
時々、列席者自ら「カラオケを歌ってあげるよ」などと名乗り出てくることもありますが、結婚披露宴は新郎新婦入場からお披楽喜(おひらき)までが2時間半、余興以外の演出を含め時間配分が決まっていますので、出来るだけ新郎新婦には迷惑をかけないように気を付けましょう。
余興の依頼を引き受けることが正式に決定したら
世の中には様々な余興がありますが、新郎新婦から例えば「昔、文化祭で踊ったチアリーディングをして欲しい!」と指定される場合もあります。
逆に「余興の内容は何でも良いのでおまかせでお願いしたい」と言われることもあります。
ここで気を付けるのは『結婚式場にある設備でやりたい余興は可能かどうか』です。
式場によっては複数の披露宴会場で同時に祝宴が始まっていることから、大きな音が出る可能性があるバンド演奏などが禁止されていることもあります。
何事も段取り8割が大切。
少しでも気になることがあれば、事前に式場担当者にしっかりと確認を取っておきましょう。
新郎新婦にサプライズにしたい場合
結婚式ではサプライズの演出がよくありますよね。
余興でも、当日まで新郎新婦に内緒にしてサプライズ的にムービー上映をすることもあります。
結婚式場では、可能な限りそのような要望には対応していますが、当日に突然、式場スタッフに「サプライズを準備しているのでタイミングを作ってください」と言うよりも、事前に式場に連絡を取って打ち合わせをしておくと、当日の流れもスムーズになります。
余興の定番4つを紹介します
それではここで、結婚式の余興の定番4つについて、紹介と詳しい内容の説明をします。
歌・楽器演奏
「結婚式ソング」というジャンルがあるように、結婚式と音楽には密接な関わりがありますよね。
音楽でお祝いするというのは一番イメージしやすいと思います。
歌の場合、最近の結婚式場はカラオケ機材の無いところもありますので、音源の確保が重要なポイントになります。
カラオケ機材を使用する場合は歌う曲が配信されているかどうか必ずチェックをしておいてください。
カラオケ機材が無い式場では、音源となるCDを持参することになります。 スマホから直接流すのは音が小さくなりますし、式場のスピーカーには接続出来ない事が多いのでCDが一番安全です。
歌うときのマイクは、有線マイク・ワイヤレスマイク・スタンドマイク等、使いたいマイクのタイプを伝えておくこともできます。
楽器の得意な人は、楽器演奏も素敵ですよね。
ピアノ、フルート、バイオリン、ギター、プロでもアマチュアでも楽器演奏はみんなの関心を惹きつけやすいでしょう。
ピアノが無い式場では、電子ピアノやキーボードを持込みすることになるので、運搬についても計画しておくことが必要です。
譜面台を使用したい場合は、式場で借りられることもあります。
選曲は、タイトルや歌詞の意味がお祝いにふさわしいものや新郎新婦の好きな曲を選ぶようにし、歌でも楽器演奏でも1曲のみにして、その後の披露宴の流れに支障のないように配慮しましょう。
ムービー上映
新婦が働く保育園の園児からのお祝いのメッセージ、友人達からの思い出の写真のスライドショー。
ムービー上映も人気のある余興のひとつです。
感動的な音楽を盛り込んで、披露宴の後半で上映すると新郎新婦の感動もさらに高まるでしょう。
最近はスマホやタブレットでも編集できますが、PCでのムービー作成が得意な人がいると心強いですね。自作のムービーは、使うBGMについて著作権の確認が必須です。
フリー音源であれば問題ありませんが、流行りのJ-popなどは必ず著作権料を払わなければなりません。
式場が代理申請をしてくれる場合、金額は数千円かかります。
音無しムービーにCDでBGMを同時再生も可能ですが、音響スタッフの負担が大きくなり失敗されるリスクもあるので、しっかりと著作権料を払い気持ちよく新郎新婦をお祝いしましょう。
また、ムービーは式場の機材との相性があり、音が途切れたり画面が乱れたり、最悪映らなかった、ということも少なくありません。
DVDまたはブルーレイディスクをあらかじめ式場に郵送し、必ず試写をすることをお勧めします。
ダンス・踊り
時代を象徴するダンス&ボーカルグループ。
流行によって話題のダンスを披露するのも盛り上がる余興になるでしょう。
また、その地方ならではの伝統的なお祭りの踊りを余興にすることもお勧めです。
ダンス・踊りは複数人であることが多いので、練習の時間を設けて当日までしっかり仕上げておきたいですね。
着替えがある場合は出来るだけスピーディーに済ませられるように工夫をし、式場にもよりますが、更衣室の確保が出来ず「お手洗いで着替えてください」といわれることもしばしば。 余興を引き受けたら、着替えがあるということを事前に必ず式場担当者に伝えましょう。
音楽を流すタイミングは「整列してポーズを決めたら流してください」等、明確にしておくと落ち着いて余興にのぞむことができますよ。
寸劇
消防隊・自衛官・警察官によく見られる余興です。
短い物語形式の出し物で、職業にちなんだものもあれば、映画のワンシーンをアレンジして新郎新婦も巻き込んでいく、というスタイルでも楽しめますね。
途中で銃声やサイレンなどの効果音を使ったり、音楽をシーンによって切り替えたりする場合は、台本を作成して式場に必ず渡しておきましょう。 司会にナレーションをお願いすることもできます。
前述のダンス・踊りと同様、着替えが必要なことがほとんどなので、着替えにかかる時間や着替えの場所について事前に確認しておくことと、寸劇は披露宴会場全体を使って動き回ることがある為、スペースが確保出来るかどうかも必ず式場担当者と相談をした上で準備を進めてくださいね。
注意点
余興の定番4つを紹介しましたが、全てにおいて共通する注意点があります。
- 著作権の問題が厳しいので、音楽を流す際、コピーしたCDは不可。
- 披露宴は時間配分が決まっています。余興は5分程度におさめること。
- 新郎新婦の親族も列席している手前、下ネタは避けること。
番外編:オススメしない余興
ここで、場がシラけてしまったり、あまり集中してもらえなかったりと、少し残念な余興についてお伝えします。
じゃんけん大会
気軽で簡単そうに思うかもしれませんが、披露宴中は余興の時間とはいえ、トイレに立つ人、喫煙所に行く人、お話に夢中になっている人、様々です。
また、耳の遠い高齢の方は、何が行われているのか理解できず、負けてもずっとじゃんけんを続けていた、ということもあります。
人はいつどのような行動を取るかわからず、全員を集中させるのはプロの司会者でも苦労しているのです。
それらの理由から、全員参加型のじゃんけん大会は、オススメできません。
フラッシュモブ
数年前、動画配信サイトで街中の人が突然踊りだして最終的に男性が女性にプロポーズ、という海外のフラッシュモブが話題になり、日本でもサプライズ演出のひとつとして真似する人が増えました。
プロのダンサーに依頼することが多いようですが、制服を着てスタッフに扮したダンサーが、音楽が流れると突然踊りだし、実は他にもスタッフかと思っていた人が何人も踊りだして、最終的に仕掛け人だった友人達もみんな踊りだす、というパフォーマンスです。
フラッシュモブは生理的に受け付けない人が多く「フラッシュモブだけは絶対にやめて!」という声が多数。
やらないほうが無難でしょう。
おわりに
最後になりますが、余興は新郎新婦もとても楽しみにしている演出のひとつです。
是非、心を込めた余興でお二人を祝福してあげてくださいね。