日常生活に不満があるわけではないけれど、なんだか刺激が欲しいと思うことはありませんか?
そんな方には浮気や不倫を題材にした小説がおすすめです。
大人は経験が豊富なほど見地が広がるもの。
しかし浮気や不倫は実際に経験するにはリスクが大きすぎて簡単に経験できるものではありません。
そんな浮気だからこそ、小説で楽しんでみましょう。
ドラマや映画もいいですが、文字で読む小説だからこその面白さがあります。
自分の想像力を掻き立てられ、自分だけの物語でドキドキを楽しむことができ、より自分好みの作品になります。
ドキドキは大切!浮気や不倫小説を読むメリット
毎日同じ生活、同じルーチンをしていると、脳が思考を停止してしまうという話があります。
日常生活にもちょっとした刺激を与えることが、楽しく人生を送るコツです。
スタートしたての恋愛はとてもいい刺激になりますが、それも長くは続かないもの。
プラトニックな恋愛はいつしか刺激的なものから安心・安定へと変わっていきます。
もちろん、現実の恋愛はそうあるべきでしょう。
しかし、小説の中の恋愛は、自分が経験できない無数の物語があります。
自分とは違う境遇の主人公が、自分とは出会うはずのない異性と危険な恋愛を楽しんでいます。
リアルな場面もあれば、非現実的要素もあり、背徳感や罪悪感といった感情が沸き起こるため、脳にも大きな刺激となります。
まずはここから、定番の浮気小説
浮気小説といっても、日本人作家の作品から海外作家まで、星の数ほどあります。
そんな中から今回おすすめするのは、日本でドラマ化や映画化をされた作品の原作小説です。
ドラマを見たことがある方でも、小説の世界はまた違った面白さがあります。
映像化されて削除されているストーリーなどもありますので、ぜひ原作も楽しんでみてください。
また、ドラマや映画を見たことが無い方は、小説を読んでからドラマを見ても、自分の解釈とは違った物語が楽しめるかもしれません。
セカンドバージン(ドラマ)
有名脚本家の大石静が描く、ドラマ化したセカンドバージンの小説版。
ドラマで描かれていた男女のどろどろとした恋愛ではなく、小説はテンポの良い作品であり、結末までを一気に読めてしまうほど。
出版社で働くキャリアウーマンのるいと、金融庁に勤める行。
自分の奥さんより、自分をベストセラー作家と成長させてくれた17歳も年上の女性に惹かれていってしまう行は、いけないと知りながらも、不倫という禁断の恋にどんどんと落ちて行ってしまう。
不機嫌な果実(ドラマ)
林真理子が描く、不倫小説の最高傑作と呼ばれるこの作品。
さすがの林真理子作品、女性の心情が良く描かれています。
こちらは1996年に「夫以外の男とのセックスは、どうしてこんなに楽しいのだろうか」というキャッチフレーズのもと、ドラマ化、映画化されました。
約20年の時を経て、栗山千明と市原隼人という実力派俳優たちにより再ドラマ化。
小説の評価はもちろん高く、特に女性なら必ず胸が締め付けられる描写が多々あります。
結婚生活も6年目を迎え、夫に夜の生活を拒まれることが多くなった麻也子は、昔付き合っていた男性との体の関係を持つことが楽しみとなってしまう。
空いた心の隙間を埋めるように、体だけの関係を楽しむ麻也子は、いつしか頭の中がそのことでいっぱいになっていることに気付く。
夫へのちょっとした復讐のつもりの浮気が、自分を支配してしまう。
恋愛が人間に与える影響を女性目線でありありと表現した作品。
あなたには帰る場所がある(ドラマ)
直木賞作家の山本文緒による、結婚や家庭とは何かを考えさせられる作品。
直接的ではなく、隠れた感情を巧みに表現する山本作品の中でも、こちらは特に身近に起こっているようなリアルさを感じられます。
普通の教師の太郎と、その妻綾子。
モデルハウスを見に行った時に対応してくれた秀明に心惹かれてしまう綾子は、自分と秀明の家庭を顧みずに浮気という恋にはまってしまう。
秀明も、家事を放り投げ、再就職してしまった真弓にうんざりしていた時だからこそ、家庭的な綾子に惹かれてしまうが、浮気がばれたことをきっかけに、綾子との関係を終わらせようとする。
秀明の心が綾子から離れて行ってしまうと、怒りの矛先は秀明の妻、真弓へと変わり…。
太郎の横柄さ、真弓の優柔不断ながらも芯のある強さなど、読み進めていくうちにわかる人間の本性が面白い。
ダブルファンタジー(ドラマ)
村山由佳がこれまでの爽やかな作品から一つ殻を脱ぎ、大胆な大人の恋を描いた作品。女性が性欲を持つことは罪なのか、賛否両論が巻き起こった問題作品でもあります。
ドラマでは、主人公の奈津を水川あさみが演じ、こちらも赤裸々に性をむき出しにする姿が衝撃的な作品となっています。
脚本家の奈津は35歳を迎え、女としての人生を終える前に、自らの性欲に正直になれる恋愛がしたいと考えていた。
仕事に非協力的な夫からの抑圧から解放され、自由になった奈津は、自らの価値を再確認できる舞台に溺れていく…。
失楽園(ドラマ)
不倫や浮気の代名詞とも呼ばれるこちらの作品。
故渡辺淳一が描いた過激なシーンが印象的ですが、登場人物の葛藤や心の動きも、ひしひしと迫ってくる作品。やめられない、中毒性のある性の関係に苦しむ姿が印象的です。
出版社でやり手の編集者だった祥一郎は、友人の勧めで訪れたカルチャーセンターで、書道を教えていた凛子と出会う。
お互いに家庭がある身でありながら、祥一郎の強引なアプローチに折れた凛子は、体の関係を持ってしまう。
毎週末のように逢うことをやめられなくなり、ついには凛子と会うためのマンションまで借りた祥一郎だったが、禁断の恋に亀裂が入った。凛子の夫が興信所を使い、浮気を押さえ、祥一郎も妻に離婚を迫られることに。
それでも離れられないところまで行ってしまった二人は、心中を決意する。
夜明けの街で(映画)
天才ミステリー作家の呼び名も高い東野圭吾。こちらは岸谷五朗と深田恭子主演により映画化され、話題となった作品。
ただの浮気小説ではなく、細部まで作りこまれた物語は、感情移入すること間違いなし。
最後まで読まずにはいられなくなります。
建築会社に勤める会社員の渡部は、派遣社員の秋葉と不倫関係になってしまう。
それまでは不倫する奴なんて馬鹿だ、と考えていた渡部だが、彼女と過ごす時間が多くなるにつれ、浮気は本気へと変わっていく。
一方秋葉は人には言えない問題を抱えていた。
自分の家族に起きた殺人事件の容疑者として容疑をかけられている。
秋葉の問題と渡部の家庭、二つの物語が進んでいく中、渡部の秋葉を守ってやらなくてはという気持ちがどんどん強くなっていく。
サヨナライツカ(映画)
辻仁成が生み出した、愛とは何かを問うこの作品。
映画ではその時辻仁成の実の妻であった中山美穂が主演で話題をさらいました。 映画では見えない、二人の女性の間で揺れ動く主人公の心情が小説では描かれており、酸いも甘いも経験した大人だからこその愛を考えさせてくれます。
豊は航空会社で務めるサラリーマン。
現在、婚約者の光子を日本に残し、駐在先のバンコクで暮らしていた。
そこで出会った謎の美女、沓子(とうこ)と危険な恋に落ちてしまう。
婚約者がいる身でありながら、沓子とふしだらな関係に落ちる豊。
婚約者の光子の素晴らしさは、豊の父のお眼鏡にかなうほどだが、豊が本当に求めていたのは、ありのままを受け入れてくれる、沓子のような女性だったのかもしれない。
徐々に沓子と一緒になれば幸せなのではと考えるようになった豊だが、世間はそう甘くはなかった。沓子との関係が徐々に周りに知られ始め、会社での地位や、それまで付き合いのあった人間関係を捨てる勇気のない豊は、婚約者の光子を選び、日本へ帰国する。
ひと時の情熱的な恋愛を引きずりながら、時は経て25年。
あの時と同じタイのバンコクで二人は再開する…。
東京タワー(映画)
江國香織作品の中でも、不倫を美しく儚い世界の中で描いたこの作品。
映画は岡田准一、黒木瞳、松本潤、寺島忍と、豪華すぎるキャストが小説の美しさを残したまま演じています。
主人公たちのドロドロしたやり取りさえも、きれいな言葉や音楽で装飾され、汚さを一切感じさせません。
主人公が大学生という若さゆえに、もがき苦しんでいる姿が胸に刺さります。
大学生の透の頭の中は、恋愛でいっぱいだ。普通の大学生が考える恋愛とは全く違う。
相手の詩史は人妻であり、自分が知らない世界を教えてくれる。
小説や音楽、詩史が好きなものは全て手に取りたい。
一緒に同じ世界を見ていたい。
自分の気持ちだけが先走りして、感情が追い付かなくなってきている。
一方友人の耕二もまた、自分の彼女とは別に、喜美子という人妻に夢中だった。
普通の主婦に見える喜美子。でも、一度セックスの場になると、人が変わったように情熱的になる…。
二つの物語が東京を舞台に繰り広げられる。
日常にちょっとした刺激を楽しんでみては
ここで紹介した以外にも、読み応えのある浮気小説は多数あります。
海外作家の作品にも、映画化されヒットした小説が多くあります。
まずは興味を持った作品を書店で手に取り、日常生活に良い刺激を与えてみてください。